抗がん剤治療

第二回目抗がん剤治療開始 その経過

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5月9日
抗がん剤投与開始。スタートも遅れたので、今日1日の工程が終わるのは真夜中を超えて、朝方だ。治療用薬剤の投与は終わって、あとは薬剤排出のための利尿剤やら、輸液。前回は「うーん、でてないねぇ」と言われたが、今回は頻尿。先がけて飲んでいる漢方煎じ薬の影響もあるのかも。

5月10日・1日目
昨日の夕食あたりから、胃のむかつきを感じる。気持ち悪いというよりむかむかするという感じ。味覚もちょっと変わった。前回は気持ち悪さに甘んじて病院食は欠食、コンビニで納豆やらチーズ、ヨーグルトを買ってしのいだ。オイルドリンクも響きだけで気持ち悪くて飲まなかった。今回はその反省もあって、先生の指導通りに食べている。病院食も今回は、(私にとって)いい具合に豆腐のステーキやら、鶏のソテーなどを出してくれている。また、最初から漢方煎じを飲めているので気持ち悪いといっても、食べられているのかもしれない。尿量も多く、どんどん排出されている。がんばってくれてありがとう、わたしのからだ。

5月11日・2日目
2回目は一回目に比べて反応が早くなるかもときいてはいたけれど、もう気持ち悪い。前は確か味覚がおかしいぐらいだったけれど、胃腸のあたりがムカムカして食欲がまるでない。気持ち悪いが、だるさはない。明日退院予定。

5月12日・3日目
今回の入院はあっという間だったと前日には言った。しかし、退院してからが長かった。てらじんが迎えに来てくれるとは知らずに、ゆりかもめに乗った。病院でてから乗り場に行くまでがもうすでにつらい。どうしてこうも高低差があるのか。階段を避けると、エスカレーターやエレベーターまでが遠い。豊洲でてらじんから連絡があり、今病院に着いたと。もう少しはやく迎えに行くと連絡くれていれば。いろいろ泣きそうだ。帰宅後、就寝。何も食べられず朝まで。

5月13日・4日目
この日も終日、寝続ける。何も食べられない。何も食べたくない。食べなければとわかっていても無理だ。食べたそばから吐く。そして、ひどい糞詰まり。大人になって初の浣腸。それでもでないという頑固さ。黄門さまも崩壊する。それでも生きているのだ、こんなに体感がつらくても。

5月14日・5日目
気持ち悪いし、味覚の変化がきつくて何も食べたくないのに変わりはないが、がんばっててらじんがつくってくれた豆腐と卵入り味噌汁を食べる。夜は鮭塩焼き。食べてすぐ戻しそうになるのをなんとか我慢して眠る。先生からは「吐きながらでも、飲んだり食べたりしてみてください」。食べることがこんなにつらいとは。酸化マグネシウムと桃核承気湯でだいぶおなかは緩んできた。

5月15日・6日目
昨日までに比べるとずいぶんと体感がマシになってきた。若干の気持ち悪さは残るが、食べられるようにもなってきた。もうひたすらタンパク質を摂らねば、食べねばである。今日からオイルドリンクも再開。「ケトン食ががんを消す (光文社新書)」を読む。食事療法としては、H先生の内容と概ね同じ。抗がん剤治療時はEPAは避けたほうがいい(EPAがシスブラチンの効力を下げるとか)って、ええー、そんな!昨日あたりから左手の人差し指先、硬化。今回は前回に比べて何もかも反応が早い。元気になるのも早ければいい(希望)。

5月16日・7日目
食べたり、動いたりがスムーズになってきた。まだ味覚異常は多少残っており、野菜ジュースが飲みたくない(H先生の食事療法では必須)。

5月17日・8日目
順調に体重は増えており。量は食べなくとも、オイルのおかげ。今回は熱もあがらず、白血球値も多分激減してないはず。前回は気持ち悪さに流されて、食べなかったしオイルも飲まなかった。今回は「吐いてでも食べろ」というスパルタ指導のおかげ。

5月18日・9日目
なんだか今日は結構食欲があって、夕食食べた後になんか食べたーいと声がするので、しらすを大きなスプーンでふたくち食べた。

5月19日・10日目
病院へ行ってCT撮影。朝、コーヒーをいれてみたがおいしくなかった。まだ味覚、嗅覚、万全じゃないみたい。手指の腹がなんとなくちりちりと痛い。眉毛、結構抜けた。病院帰り、モスで菜摘てりやきチキンを食す。心拍数がずっと早い。連日100を超えており、ここのところは120ぐらい。軽い運動してるみたいでちょっとしんどい。

5月20日・11日目
ここ数日空腹感がある。なんか食べたいという感じ。アマニ油とプロテインを少し増やすと良いと先生から言われる。なーんだそんなものかぁ。なーんか食べておなかいっぱいになりたい。

5月21日・12日目
昼過ぎから夜まで外出。昼食は、屋台のソーセージ。かなり遠辛く感じた。いろいろ動いて気が紛れたせいか、空腹感はどこかへ。

5月22日・13日目
腹部にちりちりとした痛みを感じ始めている。前にあったパッパッと散るようなかすかな痛み。先生からは「お腹の痛みは、癌の痛みだと推測します」と返信。それは私もそう思ってる。この痛みを発している時、がんはどういう状態にあるんだろうか。指先の硬化していた部分がむけてきた。オイルドリンク、シェーカーでちゃんとシェイクすると、ライトなバナナジュースみたいでおいしくなった。

5月23日・14日目
二週間。元気ではあるけれど、やはり治療を始める前とはすこしなにかが違う。床から立ち上がった時にくらりと立ちくらみがする。痩せたせいで気力が低下してるのか、体力が落ちているのか。太ももの筋肉は結構充実しているけれどな。現在、体脂肪率16.9%。

5月24日・15日目
明日は病院へ行って、CT画像の診断を受ける日。これだけがんばったのだからちょっとはよくなっててほしいという気持ち。悪くなってたらどうしようという考えが脳裏をかすめる。治療が進むごとに、こんなふうな気持ちになってゆくんだろうな。麻央さんが書いてた「治療の選択というのは、いくつも治療を重ねてきたあとはどんどん難しくなると感じます。スタンダードというもののカードが少なくなっていくからです。価値観、人生観、死生観がそこで、より浮き彫りになってくるように感じます。ここから心も本当に試されるというか、、、」と書いていたけれど、ホントに。食事療法をここまでやって悪くなってたらと思ってしまう。友達から「よくなっているよ」と言われても、残念ながら気持ちがそこにのれない。よくなっているとしか思えない、ホントはそう言いたい。よくなってる、よくなってる、そう思って検査結果聞いて悪かった時つらいじゃないかなんて、検査結果を聞く前は考えが沈む。ひさしぶりの緊張感。

5月25日・16日目
病院へ。先生の開口一番が「(がんが)縮小してる」で、一気にホッとした。先週、CTを撮ったのは1回目の治療後の数値が想像をはるかに超え悪かったからで、先生たちとしても驚いてどうしたもんかと言っていたそうだ。私が不安になるからなんでかは言わなかったけれど、と。がん研ではそういえば腫瘍マーカーの数値は見せてもらえてなかったが、5月1日に練馬総合でおこなった血液検査の結果は確かに悪くて、何かの間違いだと思いたいほどだった。そのことがあったから昨日まで不安でたまらなかったのだと思い出した。がん研の先生はたくさんの患者を抱えているだろうに、私一人にも親身になってかけてくれる言葉がうれしい。食事療法の先生からは、「まあ、そのままの結果ですね。かなり効いたということです。採血データを正確に読める医師は、今のところ、僕以外には いないのでしょうね。CTの結果が気になりますが、腫瘍の直径が2〜3割減少していれば、体積で半分以下ですので、現在の腫瘍マーカーのレベルと一致します。初回の抗ガン剤が、一番効いたということになります」とコメントがきた。がん研の先生とは対照的だけれど、どちらの先生も今の私には必要。

5月26日・17日目
以前はいい匂いだと感じていたかおりが、前と同じような匂いに感じなくなっている。まだ嗅覚が戻っていないのか。

5月27日・18日目
ここまで食べない、飲まないでいられることに、我ながらえらいぞと思ってる。がんのおかげというか、なんというか。こんな強い意志が私にあったのだなぁ。ひきつづき、がんばろうぞ。ただ、食事療法の先生とのやりとりがしんどい。食事療法は続けるが、先生との間をあけたい。

5月28日・19日目
ここに書き出しきれていない感覚もまだある。治療(食事)をはじめて気になっていること。心拍数の増加。もともと早い方だけれど、心拍数もはかれる体重計ではかりはじめてからずっとどきどきを感じていて、軽い運動をしているようなしんどさ、息苦しさ。食事療法の先生に言っても、それについての言及はあまりもらえず。呼吸がしづらいのは感じている。酸素量が少なくて、心拍数が上がっているのか。そういえば、昨日は組織片がおりてきた。時折あることだけれど、昨日は今までで一番大きく長さは1センチぐらいあった。一応、アルコール漬けにしてとってある。子宮体癌の人が書いたブログに、やはりでてきた組織片を病理検査に回してみてもらったらがん組織だったと書いてたのを見て。とっておいてもしようがないなと思いつつ。昨日、今日とすこし頭が重い。

5月29日・20日目
煎じ薬を飲むのを中止するよう言われたが、実はもうずっと前から飲んでいない。この煎じは、抗がん剤でやられた細胞をすみやかに排出させる目的で飲むのだそうな。しかし、気持ち悪い時の記憶とセットになっていて、元気になってしまったらどうしても飲みたくなくて。すみません、先生。

5月30日・21日目
手指の皮がこまかく剥けて、乾燥した指先に見える。湿度は高くとも。爪が波打っている。前回の抗がん剤治療のあとと今回の抗がん剤治療の経過が爪から見てとれる。からだに相当な負担がかかっている。正常な細胞にがんばってもらうべく、しっかり食べようと思っているが、タンパク質の過剰摂取もそれはそれでダメらしい。余分なアミノ酸が排出されるとか。

5月31日・22日目
ここ数日、便が太く長くなっている。筋腫が腸壁を圧迫しているらしく、ながらく細いのしか出ていなかったので驚き&喜び。すっきりでると気持ちいい。食事療法の先生に「タンパク質を多く摂取することで、余分なアミノ酸が排出される…一見悪いことじゃないように聞こえてしまいます。余分なとあるからわからなくなるのだと思いますが、そもそもアミノ酸とがんとの関係がよくわかりません。あと、以前にお伺いした糖質とカリウムの関係も。なんとなくしかわからなくとも、そうする意味がわかると取り組む意識も変わるので、どこかで知れる機会があるとありがたいです」と書いたら、「ハーパーの生化学を熟読してください」と返ってきた。Amazonで見てみると、おもしろそう。

6月3日・25日目
「天動説と地動説は、観察している事実はすべて同じです。皆さんが、癌について 間違った解釈や視点を持っているだけで、採血データも食事の栄養素も、すべて同じ現象を見ているだけです。僕の話を理解できないのは、皆さんが根本的に視点が違うから(地球が回っていると理解していないから) といった感じですね」と先生からのコメント。こちらは医療従事者でもないし、研究者でもなく、ただの患者だ。けれども先生にとっては素人も何も関係なく、相手が誰かなんて関係ない。つねに全力投球。しかし、全力で投げられた球を素人は受け止めきれない。患者として質問したことに対してどうしてここでこういうコメントが出てくるのか、これは誰に向けてのものなのか、私にはわからないと書いた。こういうやりとりも、あともう少し。

6月4日・26日目
31日にも書いてるけれど、あれからずっと弁の出が快調。どーんと出ると気持ちいい。立派なブツにほれぼれする。誰かに見てもらいたいほど。