病院の薬剤師さんは、薬剤についての説明を丁寧にしてくださったが、
「抗がん剤は毒です」とおっしゃった。
グリーフケア講座の授業で、「抗がん剤は毒です!」とシスターが
きっぱり言い切ったことを思い出す。
それを聞いたクラスメイトの医師が憤慨していたことも。
クラスメイトの医師が怒っていたのは、シスターが発言することの影響力。
毒ではあるが、抗がん剤での治療によって治癒へと向かう人も少なくない。
シスターの発言によって、「抗がん剤治療は受けない」という人が増えることを危惧しての
怒りだったのだなとあらためて思う。
この療法は、活発に増殖する細胞に影響を及ぼす。
がん細胞だけでなく、皮膚や腸管、骨髄、毛根(毛母・もうぼ)の細胞など、
細胞が分裂したり増殖することで機能を維持している組織や器官に副次的に影響が起こる。
このことを、「薬物有害反応」といったり、
がん細胞に対する治療効果という「主作用」に対して「副作用」という。
上の写真は、薬剤師さんが書いてくれた、副作用がおこる時期とその主たる内容。
実際、この図の通りのことがそのまんま私の身にも起こった。
けれども、まだこの図を見た頃は「ふーん」と思っていたし、
もしかしたら私は大丈夫かもしれないなどとなめた気持ちでいた。
なので、退院してそのままの足で近所の桜を見に行ったり、
翌日にはガムランの演奏会に出かけたりした。
今思うとアホだ。
いやいや、でもなめていたからこそ、今年もきれいな桜を見ることができたし
ガムランの演奏と影絵を見ることができた。
(実際には、起きていられなくて、ほとんど畳に横たわっていたのだが)