からだのふしぎ

あたりまえがあたりまえでなくなる

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術後しばらくは管を通して尿を排出していた。
管を通している間は、自動的に尿が出ているにもかかわらず
ずっと尿意があって、「おしっこいきたいー」と感じていた。
異物があることでそれを排出させたいと神経伝達させるのだそうな、看護師さんによると。
尿もたまったら、もう「要らないものとして出したい」となるのだな。

ところが、管を抜いてもらって半日尿が出なかった。
尿意もなく、看護師さんにトイレに座ってみたら?と促され
腰をおろしてみても、下腹部はシーンとしていた。
さすがに半日も出ないのは心配とステント導尿。
そこから尿意をもよおすようにはなったけれど、
術以前のようになんにも考えずにらくらく排尿というわけにはいかなくなってる。
毎回、排尿の間、かすかな重い痛みが伴う。

手術では排尿機能を支配する神経をやむなく傷つけてしまうため、
手術後に尿意がない、尿が出にくいなどの排尿障害をおこすことがあるそうだ。

膀胱に尿がたまり過ぎると腎臓へ逆流するようになり、それを繰り返すと腎臓の働きが悪くなる。
尿がたまったままの状態を放置すると細菌が繁殖しやすくなり、
膀胱炎や腎盂炎になることがある。
また、腎盂炎を繰り返しおこすと腎機能低下につながるそうな。
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/rehabilitation/female_reproductive_system.html

今回同室だった人は、導尿のためのステントを交換しにきたところ
尿道に癒着していることがわかり、入院となっていた。

普段、なにげなく、あたりまえのようにやっていることは
精緻な機能によるものなのだなぁ…。

おしっこって、汚いもののように言われたり
トイレでコソコソ出さなきゃいけないものだなんて
じつはとんでもないことかも。
まわりの人に「でたーーー☀️」と大声で毎回晴れやかに言い回ってもよいものッスよ。
(しないけどさ…。でも、ひとりひそやかに毎回ガッツポーズしてもいいレベル。)

自分で行きたいと思えて、自分でトイレに行けて、そして自分で出せるってことがすごいこと。

出るたびにちゃんとでてよかったーと、もうありがたいものがもらえたかのように思う。
(黄金の水…。)

ずいぶんラクになったと言えど、さすがにお腹を切った後なので
まだ痛みは残っているし、買い物程度で外を歩いたりしても疲れる。

がんそのものより、からだの機能が落ちることの方がこわいみたいだ。
感染症もおそろしい。

おそろしいことは基本的に考えないが、
私の場合、はやく自在に動きたいという気持ちが大きく、
動きすぎてからだの負担へとつながりやすいので
とにかく焦らず、しばらくは家でおとなしくすごす。


術後一日は絶食(食べてるどころではなくほぼ寝ていた)、二日目の流動食。


術後三日目の朝から五分粥。
お粥は一口二口食べた。お粥っておいしいんだなぁとあらためて思った。