18日にCT検査を受け、昨日その検査結果をもってひとまず治療は終了、
経過観察へ移ることになった。
診断が下ったのは3月21日だったので、ちょうど9ヶ月。
一年にも満たない間のことだったのかと感じるぐらいに
密度の濃い日々だった。
豊洲の駅前にあるショッピングモール、ららぽーとも
ゆりかもめからみる東京湾岸も
すっかり日常と化すぐらい見慣れた景色になっていたけれど
昨日はかがやいてみえた。
しずむ夕陽を眺めていると
私も、ひとときもとまることなく動いている天体なのだ
ということに気づく。
かなしみは、漢字で書くと「悲しみ、哀しみ、愛しみ、美しみ、愁しみ」と
ひとことでは語れぬ多層的な感情だと、若松英輔さんが講義の中でおっしゃった。
うつりゆく空の色を見ていたら涙がじわじわと滲んだ。
水彩画のあわあわと混じり合う色彩のように
ひとことでは言いあらわせない感情の涙だった。
この世界はうつくしい。
けれども、このうつくしみについて
ただうつくしいとしか言えず、もどかしい私がいる。