前回の抗がん剤からずいぶんと間があいたので、
髪の毛は順調に生え揃ってきていたが
10月31日の点滴からちょうど2週間。
脱毛シーズンの始まりである。
ここしばらくはウィッグをかぶらずに、ぼうずあたまですごしてきたが
折よく風も冷たくなってきたし、ウィッグ生活へもどることにする。
はじめて脱毛した時は、抜けた毛のうず高さに暗澹たる気持ちになったが
(髪の毛が抜けるという感傷よりも、抜けた髪が気持ち悪かった)
今回は掃除がめんどくさいなぁという程度である。
(髪の毛は10㎝ぐらいは残っているほうがいい。短すぎると掃除が大変)
それにしても相当量抜けても、つるっぱげにはならない。
落ち武者という感じ。
(秋の抜け毛などたいしたことないよ…)
もともと癖がつよい髪質で、髪の毛が抜ける前にはきついパーマをかけていた。
脱毛に備えてウィッグの用意をしなければと思えど
ネットで探しても、これかぶりたいという髪型はなかった。
おそらくウィッグをかぶったほうが、
人の目からは「なにかがおかしい」とうつるように思えた。
脱毛を隠すつもりなのに、かえって不自然さが際立ちそう。
どうせならば地毛じゃできそうもない髪型にしたい。
アフロ、アフロか。
ぐるんぐるんのスパイラルとか。
アフロ、ウィッグで検索してみたら、いろいろでてくるけれど
日常使いできるものを扱っているサイトはほとんどなく
ひとつだけ日本で販売しているサイトが見つかった。
https://www.african-sista.com
探せばあるものだ。
ちなみに脱毛の人がかぶるには、フルウィッグで。
ハーフは引っ掛ける髪の毛がないので選んではいけない。
(生え際が自然に見えるのでレースフロントもいい)
はじめてかぶった時の写真。
生え際に違和感があったので、
それを覆い隠すターバンも必要。
ターバンも相当探した。
そして見つけたのがここ。
このサイトは医療用の帽子もたくさん扱っていて、どれもとてもかわいい。
ターバンの種類も豊富でうれしい。
ウィッグはひとつ買うと、いろいろ欲しくなる。
アフリカンシスタさんのサイトで扱われているウィッグは
医療用ウィッグに比べると相当格安だけれど、かぶりたいと思うフルウィッグが少ない。
ということで、ebonyとwigをキーワードに検索。
アメリカでは黒人女性向けにウィッグが数多く販売されているらしい。
探してみると本当にたくさんあって、しかも値段も安い。
送料は多少かかるが、5つぐらい買っても
総額2万円ほどだった。
いろいろ買ってみたけれど、お気に入りはこれ。
日常使いは決まってしまった。
みずから「これ、ウィッグです」と言うと
たいてい驚かれる。
髪質もかなり自然。
ウィッグをかぶる前に、頭皮保護のためインナーキャップはあったほうがいい。
これが被り心地もいいし、真夏でもムレが少なくておすすめ。
いろいろ揃えて、うちをたずねてきてくれた人とウィッグで遊びたいと思ったりする。
抗がん剤を予定している方がいらしたら、一度試しに来てもらってもいい。
私はもともとぼうずあたまにしてみたいと思っていたほどなので
髪型に対してはこだわりはないのだけれど(できる髪型にも限りがある髪質だったし)
それでも髪の毛が抜ける間は憂鬱だった。
でも、そうなってしまったらどうにか自分を楽しめる術を見つけたい。
ウィッグで遊ぶなんて、こうでもなければできなかった楽しみでもある。
それと、化粧もちゃんとするようになった。
なぜなら、いかにも具合悪そうだと思われたくなかったからだ。
眉毛も抜けるので描かないと間抜けな感じになる。
おしゃれは楽しい。
あらためてこう思えることも、また私にとってはがんの効用だった。