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八重桜

八重桜はあまりすきではなかった

けれども私はすっかり
この季節を追い越してしまったのだろう

少女たちは幾重もの襞を
スカートの下にみせながら群舞している

かわいいと思えなかったのは、
自分も若かったからかもしれない

今はただ、その色を
遠いもののようにみていることに気づく

目を細めてみるはなびらは
一枚一枚淡く透けて頼りなげだった

 

 

八重桜が満開である。
ソメイヨシノが咲く頃は
たくさんの人がうろうろしていた公園も
ひっそりとしている。

昔は、八重桜に対して
桜餅みたいだななどという感想しか言えなかった。

こんなに咲き誇っているのに
みる人も少なくてもったいないと思う。

ベンチに腰を下ろしたふたりづれが
プシュッとチューハイの缶をあけていた。

天国はきっと退屈なんだろうと思うほどの長閑さであった。

 


ABOUT ME
知詠
近畿大学農学部食品栄養学科卒業。研究テーマは「カビ」。卒業後は、食品会社で研究職。乳製品もどきを分析したり開発したりで6年半。1995年の阪神淡路大震災をきっかけに身一つでできることをしようとマッサージをはじめる。2001年アメリカ、エサレン研究所にてマッサージトレーニングを受け、ボディワークをはじめる。同じ頃にはじめた気功で「自然が先生」という教えに出会い、ひとのからだとこころのふしぎについて考えつづけている。2017年、子宮体癌4b診断。標準治療をはじめるのと同時に食事を見直し、あたらしい細胞をつくっていくためには食が土台だと体感。あらためて、「生きているとはどういうことだろう」をテーマにかんがえうごく場「空-くう-」を主宰。